年に一度あるかないかの、ちょっと贅沢なランチを楽しんできた。場所は八王子の更に外れ、高尾山にほど近い山と住宅地の境目あたり。
料理も申し分ないのだが、まるで物語の中の隠れ里のような雰囲気が、何とも言えず好きなのだ。
その外観も含め、写真を貼っていきます。
これは内側からの画。本当は外からの画も撮りたかったのだが、駐車場まで若い衆が迎えに出てくれるので、どうにも気後れして撮り損ねてしまう。前回も全く同じだった。
帰りは帰りで見送ってくれるし、カメラを取り出そうものならすぐさま「お撮りしましょうか」と声を掛けられるので、結局また気後れしてしまう気弱なワタクシ ^^;
撮影順とは合っていないが、こういう隠れ里の路地のような小径を、和服の女中さんに案内されながら進む。「非日常空間に来た」という気持ちがどんどん膨らんでいく。
こうして里の中を歩くこと自体、既におもてなしが始まっているということなのだろう。個室に案内される頃には、既にかみさんとふたり、笑みが浮かんでいる。気持ち悪いですか? ^^;
今回案内されたのは、ちょっとだけ高くなった場所の部屋。窓の左手に、前回使わせてもらった部屋が見える。
この季節は夜になればホタルが見えるのだが、かなり前から予約で埋まってしまう。普通のサラリーマンであるワタクシには何ヶ月も先の予定を見通す特殊能力がないので、なかなか予約は難しい。
なんか大きく撮っちゃったけど、ワサビの大きさから推測できるとおり、これはそんなに大きいわけではない。
ホントはこの前に出てくる長芋そうめんが絶品。どのくらいかというと、ワタクシ、ミョウガが嫌いだが、この長芋そうめんに乗せられた薬味としてのミョウガが、今のところこの世で唯一、美味しいと感じられるミョウガなのだ。そうそう、それと一緒に出てくる冬瓜も同じ。ここ以外で冬瓜を美味いと思ったことはない。(単に美味いモノを知らないだけの可能性は否定しない)
この鮎は頭から丸ごと食べられる。肝も全く苦みを感じない。むしろ美味しい。そして、なぜだか表面もカリカリした食感はなく、ふわっとしている。なんという表現力の欠如…… ^^;
これがまた、美味しい。汁物が、しかもこんなに飾らない汁物が、こんなに美味しいとは。かみさん大絶賛の逸品。
あまりに美味しそうなので刺身でも喰えるのではないかと疑ってしまう。お兄さんが個室内で、炭火で焼いてくれる。焼き網(ホントはいわゆる網ではないけど、なんと呼んでいいのか分からん)に脂を馴染ませるためにまずは脂身を焼くのだが、その脂身も一緒に供される。
脂身からして美味い!
そしてタマネギも美味い!
肉なんて、言うまでもないでしょ。このために職場の飲み会を断ったのだから ^^;
困ったことにねぇ……麦とろまで美味いんですよ。
今回のデザートは黒糖アイスクリーム。もちろん、ハーゲン何とかよりも美味い。
アルコールは(いろんな意味で)飲めないので、こんなものも頼んでみた。
前回も感じたのだが、ここでは時間がものすごく早く流れる。裂け谷に来たビルボもかくや、というところだ。
帰る前にもう一度、園地内を散策する。
鮎屋と書かれたここで、鮎が炭火で焼かれ、客席まで運ばれる。部屋で炭火焼きに使われる炭を運ぶ姿も同様に時々見られ、それがまた見事に、この隠れ里の情景の一部になっている。
草々庵と書かれているのだろうか。無人の茶屋だが中に釜があり、そば茶が飲めるようになっている。
前述のお休み処は園地の一番奥にあり、そこから振り返って店の方を望むと里山の風景が広がっている。ここからだと店は全く見えない。これがまた、隠れ里感を演出している。
この日は里山の環境を守るためのお仕事をなさっている方がいた。現在見られるホタルはもちろん養殖だが、カワニナを育て、ホタルが繁殖できる環境を取り戻そうとしている。いつかここで生まれたホタルが見られる日が来るといいな、と思う。
ただし、今回アルコール無しでも3諭吉でチャリーンと音がするおつりしか帰ってこなかったので、そうそう足繁く通うわけにもいかない ^^;