喫茶店らしからぬネーミングではある。
青梅にカレー丼うどんという奇天烈なメニューで人気のうどん屋があるが、そちらは根岸屋と書く。似て非なるものだ。
こちらのお店は瑞穂町の旧青梅街道沿いにある。
BGMにback numberがかかっていたわけでは無い。念のため。
正直、入り易いロケーションでは無い。むしろ、通り過ぎてしまいがちな場所だ。入ろうかと一瞬よぎりながらも、素通りしたことが何度かある。今回はかみさんと一緒だった上に時間帯もよく、そして対向車との間合いも右折入庫するのにちょうど良かったので、「今日がここに入る日に違いない!」と感じた。
さて、店内である。
昭和だ。失ってしまった時間を取り戻せそうな雰囲気がある。こういうのはたまらない。
昼過ぎではあったが、朝が遅かったため、トースト程度にしようとメニューを開き、ホットサンドとモカを頼んだ。
カウンターに並んでいるサイフォンで淹れたモカは、マイセンのカップに入ってサーヴされてきた。いいなぁ、マイセン。ワタクシも欲しいでござる。
途中、若い女性の二人連れが入ってきた。正直、この場所にあまり似合わない ^^;
彼女たちは古い建屋が「おばあちゃんの家みたい」と気に入ったらしく、奥にある座敷に移動してもいいかと尋ね、入って行ってしまった。どんな部屋があるのか知らないが、トイレを借りに入ってみたかみさんによると、障子で仕切られた普通の民家の部屋っぽいらしい。古いものを笑顔で受け入れる若い女性なんていいよね、とかみさんとホンワカした気持ちになる。
さて、ホットサンドだ。
極めてオーソドックスな中身のホットサンド。だがかなり汁気たっぷりで美味しい。自宅のどこかで長い眠りについているsnow peakのトラメジーノを、久しぶりに引っ張り出してみたくなった。
ウェブでの噂通り、根岸家の店主は気さくな女性。初めての客にとっても、かなり居心地がいい喫茶店であることが分かった。かみさんオーダーのカフェオレも美味しかったし、次に行くときには他のコーヒーも是非試してみたい。そして昭和の時間を取り戻すのだ。