粥村で聞いた話

鳥を見たり見なかったり食べちゃったり

渋谷で映画2本

また今月も何も書かずに終わってしまう。ひとつくらい書いておくか……。

 

気になる映画は常にいくつかあるにはあるのだが、COVID-19の影響もあって、なかなか見に行けない。そんな中、気になる物が2本、どちらも渋谷でやっていて、間に昼メシを挟んで観られそうなので出かけてみた。どちらも初めて行く映画館だ。

 

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ユーロスペース

まず、ムヒカを観にユーロスペースへ。言わずと知れた、世界一貧しい大統領というキャッチコピーで有名なオジサンだ。

ところで、映画の内容よりも、今回は問題が発生してしまった。なんと、ユーロスペースが開場時間を過ぎても一向に開かないのだ。有休を使って、しかも2時間後には別の映画館へとハシゴの予約も入れてあるので、それなりに焦りはした。まぁ、スタッフさんの不手際ではあったのだが、それでも予定より30分くらいかな、遅れて映画は始まった。

入り口ではずいぶんと大きい声でクレームを付ける男性がいたようだが、まぁ人それぞれ、どんなにタイトな人生を送っているのやもしれず……。だが若い女の子を相手に声を荒らげる中年に、自分はならずにいたいもんだ。

 

映画の中身については触れない。

ただ、東京外語大で学生たちを相手に講演を行ったムヒカ氏が、「若者が一番分かってくれた」という旨を語ったことが、何かとても嬉しかった。

 

そして映画が終わり(本当に中身には触れない ^^;)、スタッフが不手際について謝り、映画の料金を返す、と言い出した。

スタッフ一人が遅刻しただけで開場できないという組織の体制には首を傾げざるを得ないが、ワタクシはちゃんと映画を観たわけだし、返金には応じないことにした。かみさんと合わせてたったの2400円、スタッフの反省会でのお茶代にでもしてもらえればちょうどいい、と思い、そう伝えようと思ったのだが……。

なんと入り口には返金に応じる大勢の客の列。スタッフの不手際の何倍もイヤな気持ちになり、スタッフに気持ちを伝えるのはヤメにした。

そんな中、ワタクシたち夫婦の一列後ろで、一人で観ていた女子高生が、ワタクシたちよりも先に、返金の列などには目もくれずに颯爽と去って行くのが見えた。

 

ムヒカの講演に涙していた外語大の女子学生といい、去って行く女子高生といい、ニッポンの未来にもまだまだ明るさは残っているな、と感じさせられた。

 

2時間あるはずだったインターバルが1時間半弱になってしまったが、さっさとメシを済ませて次なる映画館、渋谷HUMAXシネマへ。

 

次の映画は、こちら。

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キーパー

実在のゴールキーパー、バート・トラウトマンを描いた映画だ。この映画が公開されるまで、彼がマン・シティの実在する選手だった、などと言うことは全く知らなかったわけだが、ドイツ軍の兵士が捕虜となり、イングランドのクラブで活躍する話、と聞けば、ドイツびいきのワタクシとしては心惹かれないわけがない。

特に収容所でのプレイが人の目にとまって7~8部のクラブに引き入れられ、そこでの活躍がまた目にとまって、トップリーグのクラブに引き抜かれ、FAカップで優勝する、などという話はまるで今でいえばジェイミー・ヴァーディのようではないか。

ただ、イギリス人に受け容れられ、ユダヤ人に受け容れられていくくだりはあまりにも短くて、本当はもっとずっと苦労したんだろうなぁ……、と残念な思いもする。が、映画である以上、しかたないか。

嫌われ者のドイツ人がイングランドで受け容れられる、という話としては、スパーズに移籍して、自らのダイビングをネタにしたゴールセレブレーションで人気者になった、ユルゲン・クリンスマンも思い出す。

というわけで、ワタクシにとっては戦争映画とヴァーディの成り上がりとクリンスマンの物語をギュッとひとつに詰め込んだ、そんな映画であると写ったのでした。