粥村で聞いた話

鳥を見たり見なかったり食べちゃったり

カフェ えどもんず

ここのマスター、何者なんだろう?

そう思わざるを得ない、不思議な喫茶店。場所は浜金谷のフェリー港のそば。

分かりやすいとは言えない駐車場へ。

目に入らざるを得ないスバル360

駐車場に入ると目に飛び込んでくる黄色いクルマ。ワタクシもかみさんも、幼少期に父親のマイカーだった、スバル360。既にオブジェ化している。つかみはオッケー。

これがかみさんが嗅ぎつけた喫茶店……か……。

edomons.net

 

ウェブで調べると、会員制でやたらクセが強い評判。

入り口もむしろ蕎麦屋なんじゃ?

えどもんず外観

この写真右に写っている椅子が、メカニカルなロッキングチェアでその構造にとても興味が湧いたが、そんなことよりこの場で会員になって入店できるのか、そして犬もオーケーなのか聞いてきて、と言われ、後ろ髪を引かれながら扉を開いた。

 

結果、どちらも問題無かった。

 

マスターに「常連っぽい感じで座ってみて」とか促されて座ってみるワタクシw

初来店の常連

写真左に並んでいるのは、水出しならぬ氷出しコーヒー。初めて聞いた。

三者三様

ワタクシは、せっかく来たのだからと、一番高価なコーヒーを頼んでみた。ブルーマウンテンゲイシャ。一杯3000円!

飲んだことがないスッキリさと酸味。酸味系が好きなワタクシ、こういうコーヒーを待ってました。いや、もう待てない価格ですが。

かみさんはカフェオレとフロマージュ。息子1号は……ウイスキーの樽で熟成させたというバレルエイジドコーヒー。これはウイスキーの香りがほんのり……などというレベルではなくて、ウイスキー入ってますよね? という香りの強さ。これもかなり美味しかった。もちろん、アルコールは入っていないので、クルマで来ても安心して飲めます。たぶん。

わんことリラックスする

このスペースのみ、わんこの入店が許されている。囲炉裏だのなんだので古民家の風情たっぷり。とても落ち着ける。落ち着きすぎて2時間近くいたかな ^^;

2階には会員限定で公開されている美術館がある。

書いても良いのかな。甲冑やら日本刀やら、様々な骨董などが所狭しと飾られていて、(なんなのこれ、個人でこれなの? ここのマスター、何者なんだろう? )といぶかしむレベルの展示。そして北斎とか若冲とか色々な絵が飾られている。失礼ながら、ワタクシには真贋の区別がつかないものの、本物にしか見えない。その中でも特に釘付けになったのが、円山應挙の画。タカがツルを押さえ込んでいる絵だ。その堂々としたタカ――おそらくクマタカに見えるのだが――の姿に数分間、動けなかった。

撮影禁止なのが残念。是非鳥仲間に見てもらいたい一枚です。

 

絵を見終わってマスターに感想を述べているうちに長い雑談となってしまう。あとでかみさんに「仕事の邪魔してる」と叱られましたが、マスターは話すのが好きそうだし ^^;

ネルやペーパーは本当に良いコーヒーには使わないほうがいい、とか、古くなっちゃった豆だったら、むしろ積極的にペーパーを使うべし、とか。その理由にも納得。

その中で、「一番難しいのはスチームドミルク」とのお話。これだけの珈琲屋さんが、ミルクを泡立てるのが一番難しいと。重いミルクと軽いミルク、そしてラテアート用のミルクと3つのミルクを一度の作業で作りわけなければならない。これが最も難しい作業。とのこと。

それじゃあ、と言うわけでもないんですが、カプチーノを追加注文。

ホットカプチーノ

ミルクが注がれたコップとエスプレッソが運ばれてきて、客が自らそれを注ぎ入れます。なるほど、ミルクと泡の間にエスプレッソが溜まっていきます。以上、浮力の勉強でした。

このカプチーノも非常に美味しいです。これはおかわり扱いなので500円と、とってもリーズナブル。

ともかく、見るもの聞くこと飲むもの、どれにも目を見張る、素晴らしい喫茶店です。そしてそんなお店にわんこも入れると。もうこれ以上望むものは……、もう少し近ければな、というところですが、そうなったら予約制になっておいそれとは入店できませんね。ここはちょっと遠くにあるからなおさら良いのかも知れません。

ちなみに会員数が1万に達したら募集をやめる方針で、残り800人くらいでしょうか。あまりの申込の集中で「どうしようかなぁ……」と思案中のようでしたが、どうなりますことやら。

それにしても、ここのマスター、何者なんだろう?