粥村で聞いた話

鳥を見たり見なかったり食べちゃったり

有福温泉 ぬしや

今回の島根旅行、宿泊地は出雲や松江方面のほうがなにかと便利とは思いつつも、江津市にある有福温泉のぬしやというところに泊まることに決めた。安くは無いのだが、ちょうど東京オリンピックのチケットが全部外れと確定して、そこにつぎ込むかもしれないと考えていたお金が浮いたと思えば、まぁたまにはプチ贅沢もいいだろう、ということで。

結論から言うと、ウェブでの評判通り、なかなかいいお宿だった。いやむしろ、分不相応にいい宿だったと言った方が正しい。

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ぬしやに到着

場所はなかなかの田舎だ。最後のほうは「こんなところに本当に立派な温泉宿があるのか?」と疑いながらクルマを走らせることになる。

まだ平日だというのに、しかも台風19号が来ているというのに、駐車場にはクルマが並んでいて、ほぼ満車の状態だ。

あとで聞いたところによると、関東方面からのお客さんのキャンセルが相次いだあと、九州や広島方面からの予約が入って、結果的に満室だったようだ。

 

チェックインの合間にウェルカムドリンクなどいただいたあと、部屋に案内される。

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わぁ、すごい部屋

えええ! なにこの広さ。39平米って……。住めるよ、これ。

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もうここで一日のんびり過ごしたい

ほら、温泉旅館の窓際に、テーブルと椅子のセットってあるじゃん。そこだけ畳じゃなくてさ、冷蔵庫とテーブルと椅子。定番じゃん。

これ、違くない? 

部屋が広いから分かりにくいけど、テレビも結構大きいよ? 住めるって言うか……むしろ住みたい。

二泊して思ったんだけど、枕が変わるとすぐに首が痛くなるワタクシが、まったく痛まない。家よりも痛まない……。なんだこれ。

 

さて、食事や風呂のために館内を歩くと、こんなものが目に付く。

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八十三期棋聖戦五番勝負第三局

実はこのぬしやを選んだ一番の理由はこれ。自分でものの善し悪しを判断する自信が無いワタクシめは、以前から「将棋のタイトル戦で使われるような宿に泊まってみたい」という願望があった。今回、ウェブで宿を探したときに『ぬしや』の文字を見つけて「ああ、ここだ!」と思った次第。

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羽生さんや谷川さんの直筆も!

非常口のサインが写り込んでいるのに気づかぬほど、ワタクシは感激していた ^^;

羽生さんはこの対局で11期目の棋聖を守り、通算タイトル獲得が81期に達した。大山十五世名人を超えた、記念すべき場所なのだ。

ちなみにワタクシ、将棋はヘッポコです。棋譜を見ても理解できません ^^;

 

今回、台風を気にしてコンデジしか持って行かなかったので、ろくな写真が無いのだが、料理の写真もいくつか載せておく。

 

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ノドグロ 一夜干し

朝ご飯には名物のノドグロが。やっぱり美味しい。

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いちじく豆腐に鮪漬け寿司、ホタルイカなど

二日目の晩、ホタルイカが好みの味。

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やっぱり炭焼きでしょ

この形、次の写真の皿とおそろいで、瓦をかたどっている。特注だそうで、かなりお高いという話も聞いた。

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松永牛 ヒレ ランプ リブロース

肉だよ、肉。とても美味しかった。毎度のことながら、ちょっと満腹が過ぎたようだが。真ん中の右端にある黒いものは、ヨモギをたくさん練り込んだお餅。名古屋方面から取り寄せているそうだ。良い香りだった。

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お食事処

部屋食も良いのだが、歳を喰うと椅子のほうが楽になってくる。ここはテーブルも十分に広く、居心地の良い食堂だった。

 

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中庭というか、林 ^^;

建物は回廊状になっていて、その内側は中庭と呼んでいいのだろうか。けっこうな広さの林になっている。2階の部屋を出て一周すると、なぜか1階に戻ってくる。つまり、地形をそのまま利用しているわけだ。林も基本的には元からのものを利用しているのだろうと想像できる。

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憧れの部屋

その回廊を歩くと、離れがある。写真中央、やや奥側が棋聖戦の対局に使われた部屋だ。露天風呂も付いている。ワタクシが予約したときには空いていなかった。残念。

 

お風呂は貸し切りの檜風呂と岩風呂に入った。どちらも十分な広さで、ゆったりのんびり入れる。なにせ部屋が9室しか無く、そのうち3室には露天風呂が付いていることもあって、貸し切りも競争率が高くないのが嬉しい。

食べ物、お部屋、お風呂、どこをとっても満足のいく温泉宿だった。遠くて二度と行けそうに無いことだけが、ワタクシにとっての難点だ ^^;