粥村で聞いた話

鳥を見たり見なかったり食べちゃったり

ステキな喫茶店とアートな週末

なんと言うこともなく見ていたテレビの番組で、アートに強烈な印象を受けた。博物館に行くのはけっこう好きなのだが、美術館というところにはなかなか足が向かない。だがかみさんと二人、同じように興味を持ってしまったので、スマホで予約を入れていってみることにした。

予約時間よりも早く着いて、まずは遅めのブランチを。

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カヤバ珈琲

目星を付けておいたステキな喫茶店

「予約のお客さまですか?」

と聞かれてうろたえかけたが、運良く入ることが出来た。そうか、予約が必要なくらいの有名店だったのか……。

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玉子サンド

一番人気のメニューらしい、玉子サンドをいただく。これは確かに美味い。なんか、付け合わせの野菜も独特の風味だ。かみさんが頼んだスープは薬膳風で、これまた独特の味わい。ワタクシのフレッシュジュースはすごく濃厚。どちらも独自性が高い。

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アイスカフェラテとミルクセーキ

飲み物は昭和を思わせる味。店内はエアコンなどに頼らないことで、失われた昭和の空気を保っているようにも感じられた。

 

さて、この日の目的地はカヤバ珈琲から歩いてすぐ。

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東京藝術大学

数多あるニッポンの大学の中でも、おそらく一番縁遠い大学である。はははのは。

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特別展 あるがままのアート

入り口を入ってすぐのところにある、小森谷章さんの作品。

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正己地蔵

山際正巳さんの作品。なんともユーモラス。実は売店で実物が売っていたので、苔リウムに入れて苔生していったらまた面白いだろうな、と思ったのだが、小さな苔リウムに入れるには案外大きくて断念。いや、そもそもそんな使い方は失礼か? ^^;

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魲万里絵さんの作品

魲万里絵(すずきまりえ)さんの作品から漲る、圧倒的なエネルギーが、観に行きたいと思ったきっかけのひとつ。乳房や女性器をこれでもかと描き、ハサミもよく出てくる。グロテスクと言えばグロテスクなんだろうが、そんなことよりも強烈なアピールに引き込まれる。

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折り葉の群れ

渡邊義紘さんは、秋になるとクヌギ林で落ち葉を探す。そしてその枯れ葉に、まさに命を吹き込むかのように息を吹きかけて葉を柔らかくし、丁寧に、丁寧に折りたたんでいく。そして出来上がる動物の群れ。ただただ驚愕する。

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金崎将司さんの作品

これも驚愕の作品だ。変わった石か何かにしか見えないが、実は紙だという。丹念に丹念に、紙を重ねて貼り合わせていった「モノ」が、こんな姿になる。

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藤岡祐機さんの作品

この美術展に行きたくなった作品のひとつ。藤岡祐機さんは夜中に紙を切る。ただひたすら、同じリズムを刻んでいく。その美しいリズムが、美しい造形となる。なんて素晴らしい。

 

この番組に目がとまった理由のひとつは、かみさんがもう10年以上、支援教育の現場にいるからだ。そして、一部の教育現場では、障害児たちの個性を殺して型に嵌める教育が行われ、また別の現場では素晴らしい教員に恵まれて、イキイキと個性を伸ばしている。

簡単な問題ではないだろうが、支援教育はオトナのためでも社会のためでも教員のためでもなく、教育を受ける側をまず尊重する、そんな国になって欲しい。

この作品展に展示されている作品と、その制作過程の映像を見て、ますますそんな思いが募った。