週末、いつものUPLINK吉祥寺に『弟は僕のヒーロー』を観に行った。今年2本目の映画だ。ちなみに昨年はDVD上映も含めて年間6本だったから、今年は開幕ダッシュだ。
肝心の、ダウン症の少年の表情が光で飛んでた。大失敗。
映画自体を年間数本しか観ない中、これは見逃せないと感じた一本。かみさんが特別支援学級で働いていたこともあり、障害児などの問題に対して、ちょっと興味が強い。
ある程度ネタバレにはなると思いますので、それが困る方はこの辺で閉じてください。
今回もそうした社会派の映画なんだろうと勝手に思い込んでこの映画を観に行った。つまりは、差別問題なんかを取り上げるのだろうと。
ところが実際は、ダウン症である弟、ジョーの存在を知られたくないと考えてしまった主人公ジャックが、小さな嘘から始まる嘘の連鎖に陥っていく話だった。
これは最初の嘘が何を隠そうとしたのかにはあまり重要性がないかもしれない。後戻りできなくなるこうした負のスパイラルは少年にはありがちな罠であり、ダウン症はそのきっかけとして必須だったわけでは無く、障害全般のどれでも良かったし、むしろそれ以外のどんな嘘からでも同じだったのかもしれない。
重要だったのは、少年の過ちと、それを包み込む家族の温かさだった。
映画を観る前に覚悟していた憤懣やるかたない差別への怒りはこの映画にはなく、むしろ主人公の絶望感にどんどん引き込まれてしまった。
(そうだよな、このつまらない意地が少年時代は大抵のものよりも重要に感じちゃうんだよな……)
という感じに、主人公と一緒に暗鬱な気持ちになる。なんか、久しぶりに映画の主人公に感情移入してしまい、それはそれで映画ならではの追体験のような時間を過ごした。
そして最後の場面。
既に仲直りしている兄弟がYouTuberとなって、動画がバズってハッピーエンドって、あんまりにも安易じゃ無いの?
と思ったら、そのあたりは実話だったらしい。実話じゃあしゃーないか ^^;
そうそう、UPLINK吉祥寺でこの映画を観ると、ヨシタケシンスケさんのポストカードがもらえます。先着順なのでいつまでもらえるか、分かりませんが。
ただ、天使とも言い習わされるダウン症の少年の良さは、しっかりと描かれていました。